1.易→難

sakura ステップ・バイ・ステップということです。

基本的な考え方を提示し、その理解が大前提です。ただ「基本がわかれば」という考えには落とし穴があり、基本だけではその事項が理解できたとは言えないのです。少しずつバリエーションをつけて提示して「どういうことか」を納得してもらう、「腑におちる」感覚が大事です。
学習の認知的な側面です。


2.反復練習

一度「完全に」理解すればどんな問題もできるはずだ、というのは本当です。しかし「完全に」というのはなかなか難しいものです。何度も反復する作業を通して 記憶に定着させると共に、その事項を「使える」ようにするのです。「テストになると出来ない」という生徒にはこの側面が欠けているのかもしれません。
学習の行動的側面です。


3.定着(確認テスト)

事項の理解は客観的に評価される必要があります。指導者が、生徒の理解度を把握し、次の方針を決める指針となり、生徒の課題達成に対する動機づけになります。

具体的には毎日の指導と宿題に対して毎回テスト形式で挑戦してもらいます。このとき指導者は、出来不出来何パーセント出来たのかにこだわることなく、進歩した部分を評価し、生徒の意欲を高める事が大切です。また、一回で完全ということはなかなか難しいという事も頭に入れておきましょう。何事も何度も後から繰り返せば良いのですから。

4.「?」の力

教え込まれた解法、教え込まれた答案の書き方を繰り返す生徒が散見されます。非常によく勉強する生徒に多いです。しかし、そのままだと「問題を解く」「点数をとる」事にばかり焦点があたってしまい本当に「理解」しているかどうかがおざなりになってしまいます。

入試には毎年新しいタイプの問題が出題されてきます。皆が出来る問題でつまずかない事は合格への必須条件ですが、さらに未知の問題に果敢に取り組んで少しでも食らいついてくる生徒が第一志望を勝ち取っているように見えます。第二志望で止まってしまうか第一志望を勝ち取るかはこの「?」の力にあるようです。

毎日の勉強で、生徒から「何で?」という質問があがればしめたもの。考えながら、迷いながら学ぶ。当たり前の事なのですが、解法ばかり与える勉強法が多い昨今で忘れられている大切な事です。

5.学びを「楽しむ」とは?

どの子も皆、小学校に入学したての頃は、これから一体何が始まるのかドキドキして授業に臨んでいたはずです。誰もが知的好奇心を持っているからです。ところが、だんだん成績にばかり周囲が関心を持つようになり、テストの点数、偏差値の高い学校への進学が目的化し、学歴主義に傾いていくにつれ、「できないことは悪」だと思い込まされ勉強がいやになってきてしまいます。

大事なことは、日常の勉強のプロセス、わかったりわからなかったりする毎日の学習こそ学びであるということです。結果はあくまでも結果です。毎日の勉強が楽しめている生徒は受かっていくものです。

確かに試験前は多少精神的・体力的にもシビアになっていくでしょう。しかしそこに至るまでの毎日に「ああそうだったんだ」という楽しむ感覚 があればきっと大丈夫。もう既に大きな人間的、知的成長があるはずです。そして入試に挑み「yes」といって次のステージに進めるでしょう。逆に結果が全てになり灰色の毎日になってしまうともう勉強が嫌いになってきます。勉強はするが力はついていかないかもしれない。関心の持てぬ事は身についていないという研究もあります。

「ああでもない、こうでもない」「へえ、そうだったのか」と言いながら世界を広げていく事が学びであり結局合格への近道です。勉強は軍隊の訓練ではないのです。

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